久々の靴ネタである。
愛用のリーガルウィングチップ2足。
左が「2585N」で右が「2235NA」、サイズはどちらも25EEである。
2585は仕事に普通に履いていくが、2235の方はさすがにこのデザインなので、スーツには全く合わずきまぐれにジャケパンスタイルで出社するときだけの出番となる。
写真を一見すると、2235の色違い揃え黒と茶の2足セットのように見えるが、左の靴は、ソールがリーガル定番の合成底なのに対し、右は革底になる。
2024年現在の公式オンラインサイトでの価格は、
左の2585が、30,800円(税込)
右の2235が、38,500円(税込)
と、かなり違う。
木型(ラスト)が同じ、アッパー材質が牛本革のシボ仕様で同じ、製法もグッドイヤーウェルテッドで同じ、ウィングチップの意匠も同じ、違うのはソールの材質だけ、つまり革底にするだけで7千円高いのか・・・
木型(ラスト)が同じ、アッパー材質が牛本革のシボ仕様で同じ、製法もグッドイヤーウェルテッドで同じ、ウィングチップの意匠も同じ、違うのはソールの材質だけ、つまり革底にするだけで7千円高いのか・・・
・・・などと誤解しないように。
まず、1970年代に発売されて以降、2235はインペリアルグレードと言って通常ラインナップではない、最上級シリーズという位置づけの商品である(あった)のである。
ただし、現在は、2021以降「ザ・マスターリーガル」が最上級ラインナップである。
なので、2235のブラックと2285が底以外では見分けが付かないかというと全然そんなことはなく、まず革質が見た目から違う。リーガル公式での商品写真でも拡大すると普通に分かるが、明らかに2235の方が革質のきめの細かさがワンランク上である。キメが細ければ当然、より柔らかくて光沢感もより上質になる。
それから、木型(ラスト)については、実際にリーガルに問い合わせた強者もいて、その方によれば「ラストも微妙に違う」との回答だったのだそう。(これについては同一にしか見えないのだが。)
ソールの材質だけでなく、全体的に細部が差別化(高級化)がされているということなのだ。
さて、現物の比較、実際に履いた感じの違いをお伝えしたい。
ちなみに、2235は約12~13年ほど前に購入したもの(こんなに高くなかったぞ!)。2585は4年ほど前に購入したものとなる。2235は数ヶ月に一度の出番だが、2585は週イチローテで活躍中。
まずは、2235NAから。
キメの細かい上質なキップ革が美しい。高級感もある。
形はワイズの広いアメリカンな丸っこいスタイル。トゥの形もエッグ型とでも言おうか、スパニッシュやイタリアンの何でも尖らせるシャープさとは対極にあると思う。
色味は、昔から「もう少し赤みが弱くこげ茶寄りなら買うのに!」みたいな意見は寄せられていたようだが、発売時から色は変わっていない(はず)。服装を選ぶこの派手目のカラーも見慣れるとわりとシックな気もする。
履くと、あらためて、自分の足のサイズは「リーガルの25」にピッタリだなと思わせる適切なサイズ感。特に足先のゆとり「捨て寸」がおそらく1.5~2cm程度あり、屈曲時も窮屈さがない。また、ワイズもEEなので親指側、小指側の張り出し部分も違和感なく十分な幅がある。
この靴の特筆すべき点は、やはり地面との当たりの柔らかさ。コツコツ感がそれなりに有りつつも、衝撃に角がまったくない。上質で快適という革底にした一番のメリットを十分に堪能できるのは素晴らしい。
一方で、メーカーの言う、「通気性の良さ」については、ソックスの選択にもよるのか、夏季に履いてもさほど2585との際立った違いは感じられない。
全体として、いい靴だ、とつくづく思う。所有する喜び、履く愉しみに溢れている。
あとは、各人が革底の唯一の欠点というか使用上の制約である「雨の日に履けない」という点をどう評価するかだろう。
こちらは、2585。カラーラインナップはブラックのみ。
買うときにウィングチップじゃないプレーントゥの2586と迷ったのだが、すでに持っていた2235との履き比べを通して「合成底」VS「革底」の違いを正確に比較したかったので同じウィングチップモデルの2585にした、という経緯がある。
ぱっと見は、「シボ革のウィングチップであのリーガル定番のずんぐり形」なので2235のブラックだよ、と言われても信じてしまいそうになる。
・・・が、手に取って見ると、明らかにアッパーの革質の目が荒い。表面のザラザラ感と言うか凸凹感がやや2235の革よりは強い感じ。
だが、色が黒ということ、さらには他人の靴を手に取って見るシチュエーションなど考えられないわけだし、革質が良いとか悪いとかまったく区別が付かないのではないか、と思う。
ぶっちゃけ、とてつもない革靴好き以外には「それが何か?」的な問題ではないかとも思える。
サイズについては、足入れしたときに2235との違いはまったく感じられない。さすが日本のメーカー、このあたりは精密である。以前、ある外国メーカーの同じサイズの2足の靴なのに、なんか一方がきついな、と思ったら内寸で1cmほど違ってたことがあるのでこれは正直にスゴイと思う。
ラストの違いは・・・はい、まったく分かりません。まったく同じラストに感じられます。
明らかな違いとしては、「革がやや硬い(固い)」ということ。履き口もそうだし、屈曲時にもその違いは分かるほどである。なので履き心地の柔らかさや上質さで2235にはやや劣る。
そして、一番の違い、地面との当たりは当然に「コツンコツン」としたあのリーガル定番の合成底特有のものである。toskaniniは雨の日用にガラスレザー製のこれまたリーガルの超定番「2504」のプレーントゥを持っているが、それと同じコツコツの当たり感。かっちり感、とでも言おうか、これはこれで慣れると手放せなくなく人続出のベストセラー靴底なのだが、機能面での「上質さ」と「高級さ」と「快適さ」ではやはり本革製の靴底には一歩も二歩も譲ることになる。
シボ革仕様で合成底なので雨の日も2504と一緒にガシガシ使っている。
どちらも、お気に入りであることに変わりはなく、これからもずっと修理しながら末永く履こうと思っている。
ラストは微妙に違うのだそうだが、すくなくとも見た目、履いた感じからはその違いを感じ取れなかった。今、この写真を見て気付いたが、つま先の丸まり具合やパーフォレーションに微妙な違いがありそうか、いやっ、ないかも?!どっちだ??
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