2017年12月7日

No.49 さてゼロハリのアタッシェ(アルミ製)の使い勝手とはこれいかに・・・

もうかなり前になるが、あまり深く考えずに単に憧れだけでアルミのアタッシェケースを買った。
(ちなみに「アタッシュ」ではない。フランス語の「attaché(大使館)」 が語源なので「アタッシェ」が最も近い)


ZERO HALLIBURTON(ゼロ ハリバートン)
 モデル: MZ2-SI
 素 材: アルミ合金(ジュラルミン)製
 サイズ: 約H28.6 x W41.9 x D7.4 cm
 重 量: 約1.9kg 

(購入したての頃、虹色のアップル"マッキントッシュ"ステッカーを貼っていたのを思い出して、iPodに付属していた白いアップルステッカーを貼ってみた。)

買ったのは、漢字トーク7とWindows95が全盛の頃だから、22、23年ぐらい前か。当たり前だが楽天もAmazonもない時代で、百貨店のバッグ売り場で定価の2割引だった。

買って3年ぐらいは実際に通勤に使用してたように思う。
改めて3年間の使用感を総括してみたい。

 「まず重たい」
 「でも頑丈」
 「使い勝手が悪い」
 「でもカッコイイ」
 「傷に強いわけじゃない」
 「でも経年の傷は愛着の源泉」
 「仕事がデキる男のアイコン」
 「そして とにかく目立った」
 「使用ではなく所有にこそ満足」
 「買って・・・良かった」

くじけてしまい使用は3年しか持続できなかったけど、以上の気持ちに共感できる方にはぜひオススメしたいゼロハリのアタッシェ。
個人的に「ビジネスマンのステータスシンボル」、だと思う。
(男は仕事が出来てナンボという昭和的価値観のシンボル、ワーカホリック達が闊歩していた時代の象徴・・・趣味人としては実用性云々よりある意味そこに萌えたい!)

内部はシンプルでこんな感じ。
toskaniniは小物をたくさん持ち歩くので、日常運用するにはバッグインバッグが必須。お気に入りのCOACHのペンケースも。




肉厚のアルミ合金の塊で出来ているのが写真からも分かる。

購入を検討する人のために補足すると、

一つ 重いのは覚悟すること。
このMZ2はゼロハリのアルミアタッシェの中で最小で最薄なモデルである。
なのでゼロハリのラインナップの中では最軽量の部類に属する。
・・・が、それでも1.9kgある。1.9kg!だよ。空っぽの状態で。

ちなみに同じゼロハリでもエリートとかPシリーズを選ぶともっと絶望的で、2.4kgとか2.8kgとかA3サイズで厚みのあるモデルだと3kgをオーバーするとか、これって実はアタッシェの形をしたダンベルだったんですね?、とか通勤て実は自己鍛錬のための苦行だったんですね? とかとにかく大変なことになる。

現在通勤に使ってる吉田カバンのポーターのブリーフケースは頑丈なバリスティックナイロン製で約1kg、それを購入するときに比較したTUMIの超ゴツいブリーフケースが1.4kgだからどんだけ重いんだ!ゼロハリ。
お前超合金かよ! いえアルミ合金です。みたいな。

二つ 使い勝手が悪いのも覚悟すること。
簡単に中身を出し入れできない。これに尽きる。
構造上、1 机の上に寝かせ、2 ロックを解除し、3 バチンとラッチを開放し、4 上蓋を開ける、という洗練されたビジネスマンの様式美に則った手順を踏まないと中身が飛び散るのだから、この不便さとストレスはもう誰もが容易に想像できるだろう。
ただし・・・一点だけ注意しておきたい。
購入後、おそらく想像の10倍ぐらい(当社従来比)のストレスに直面し愕然とするだろうことを。(笑)

三つ とにかく目立つしカッコイイ。
買ったばかりの頃、仕事で永田町のとあるビルに出張した際エレベーターに乗ったら、代議士バッジを付けた見知らぬ(失礼!)ジェントルマンに「君、いったい何千万入ってるんだい」と声を掛けられてしばらく会話した思い出がある。
その他にも、電車や街でジロジロとアタッシェへの視線を感じることも多々あったし、ホステスさんと「ゼロハリ派かリモワ派か」という話題で盛り上がったこともあった。

持ってる人があまりいないので必然的に目立つ。
ま、もっと正確に言えば「持ってる人はそれなりにいるが日常使いにしている人はそんなにいない」かな。
そして、使ってる人をそんなに見かけない理由は、おそらく重くて使い勝手が悪いからだろうし、だから、ゼロハリのアタッシェと付き合うには、バッグという実用品じゃなく「男のロマン」、「不自由さを楽しむアイテム」、「自己満足という名の孤高」、「手のかかる子ほどかわいい」、みたいな達観が必要となんとなくこの歳になって思い至るのであった。
若い頃に使いこなせなかった訳である。

今回ブログで紹介したのは、最近、友人から「俺リモワ買ったなう」的なメールが来て、「リモワ?。そういえば俺もゼロハリ持ってたな・・・ガサゴソ」てことで。
正直、今更アルミアタッシェ?と思わなくもなかったが。IT系の仕事をしている友人曰くノートPCやタブレットなんかのeガジェットを持ち歩くとき気分的に安心なんだと。これって一応プロユース?。

確かにリモワもカッコイイ。
色味やデザインに華がある。


 http://hearts-cry012.seesaa.net/article/380908951.html

ゼロハリより軽いらしいし、個人的にはデザインはリモワのトパーズの方がゼロハリより好みかも。特に、ほとんど流通してないがシャンパンカラーのトパーズなんて見ただけでノックアウトされてしまう(死語!!)
ちなみに、お気に入りの海外ドラマ「CSIニューヨーク」で科学捜査班の主人公たちが殺人現場に持っていくアタッシェがさり気ないけどこのリモワのトパーズである。
テレビ映えして超格好良い。
しかし、両方持ってる人のレビューなんかを見ると頑丈さと気密性(雨が侵入しないか)ではゼロハリの方が上との評価をかなりの数見かける。

さすが、アポロ計画で月から石を持ち帰ったゼロハリである。
そういえば、「ダブルリブ」と称される一見してゼロハリと分かる見慣れたデザインに加え、いつのまにか新作「Xリブ」のGEOシリーズというのがラインアップされている。ネジ一つから新設計した新世代ゼロハリなんだとか。これはこれで良い(ネットでは品薄状態。個人的にはもう少しマチの薄いモデルが出ればいいのだが・・・)

これがゼロハリの定番「ダブルリブ」タイプ

んでこっちが新世代ゼロハリの「Xリブ」タイプ
 http://store.zerohalliburton.jp/shop/c/cgeo3at/

さて、toskaniniのゼロハリもクローゼットの中で10数年たっても変わらぬ姿で・・・と思いきや、なんと、ところどころ錆びていた。ゼロハリが採用するアルミ合金の一種であるジュラルミンは鉄よりは断然錆びにくいのだが決して錆びないというわけではない。
開閉動作にもやや重さというかやや引っ掛かりが感じられた。

使用の際の擦り傷部分を中心にかなりの箇所に茶色の錆が浮いていたのと、なにかにこすった跡が何箇所も黒く残っていたが、ピカール(液体ヤスリ)を布に付けてこすったら簡単に錆や黒ずみを除去できた。(ピカールってスゴイ!)
調子にのって全体をポリッシュしようかな~とも思ったが、表面研磨しすぎるとアルミ無垢のヘアライン仕上げが消えてしまうわな・・・と思い、錆が消えたところでピカール処理は終了。
あとは綿棒に無水アルコールを含ませ、細部は歯ブラシと爪楊枝を使い手垢やホコリを丹念に取り除いた。
最後にリセッシュで除菌・消臭も忘れずに、と。

実作業1時間足らずのクリーンアップで、何と・・・新品同様にキレイに!
ちょっとした感動である。

そして、シリコンスプレー(CRC-556から油成分を除いた感じの無臭の潤滑剤)をハンドルとダイヤル、ラッチなどの可動部分に多めに吹きかけたら一連のロック動作、開閉動作がとても軽やかに。

買う時に美人の(こういう記憶だけは妙にハッキリしているのが人体の不思議である)店員さんに「保証期間後のメーカー修理も出来ますから、大切に使えば一生モノですよ!」と購入を後押しされたっけ。
当時は、一生って大げさすぎだろ、とか心の中で軽く突っ込んだ若かりし頃の俺だったが、嘘ではなくマジで一生使えそうである。
というか使ってみせる!
ありがとう、あの時の店員さん。

さあ、またゼロハリと一緒に出掛けたくなってきた。

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