2020年6月1日

No.70 ショーンハイト、リーガル、バーウィックのサイズ感など

ショーンハイトのプレーントゥを購入、週1ローテ入りさせ通勤で約1年使用したのでサイズ感、使用感をレポる。
 
左:ショーンハイト、中:リーガル、右:バーウィック

購入したのは
ショーンハイトの外羽根プレーントゥ「SH111-4」のサイズ25.0、ラバーソール。
ラストの位置付けは「ブリティッシュトラッド」とのこと。
「ショーンハイト」は知る人ぞ知る東立製靴(千葉県柏市)が上質な革素材を使用し縫製から仕上げまで国内一貫生産した同社オリジナルブランドの良靴である。

革は老舗タンナー山陽製高級レザーを使用と商品説明にある。

結果から言う。
超優良靴である。高コスパだから良いのではなく、靴そのものの出来がとても良いと思う。
革質も満足いくものだし、縫製やコバ、中敷きを含め細かい部分にも雑な処理は一切感じられない。
とても丁寧な仕事ぶりである。

公式ストアがヤフーショッピングにあり、レディメイドのラバーソールモデルなら、今だと税込18,700円で送料無料。ポイントやらPayPayのボーナス、5%のキャッシュレス還元まで付けるとさらに安くなる。
グッドイヤーウェルト製法で上質な革製アッパーのまともな革靴を買おうと思えば、2万円台後半~3万円以上を覚悟しないと、というこのご時世になんと良心的な!!

さて、このショーンハイトの靴を、以下の2足と比較してみた。

まず、比較1足目はリーガル
リーガルのセミブローグ内羽根ストレートチップ「04KR」の25.0、ラバーソール。

このラストは普通にトラディショナルと思う。
2504や2589のようなエッグトゥではないし、かと言ってつま先のとんがり感もまったくないので。

そして比較の2足目はこちら、バーウィックのストチ。
バーウィックの内羽根ストレートチップ「1251(ラスト19)」のUK6.5、ダイナイトソール。

このラストは標準的・伝統的との位置付けである。幅も普通にある。

以下、上記3足の比較をするのだが・・・
あくまでも04KR、SH111-4、1251という個別モデル同士の比較をしているのだが、モデル名が覚えにくいと思うのでメーカー名で記載してる。
当然、ラストによっても各メーカーの靴の形状・サイズは異なるので一つの参考にしかならないということで・・・。 

まずはサイズ感から。

一般に「リーガルは大きめなので普段の靴より1サイズか2サイズ小さめを選ぶべし」というのがネットレビューのお約束フレーズであるが、この印象はショーンハイトもほぼ踏襲している、と思う。
要は「リーガルと同様に大き目」。
同傾向のサイズ感と言っても良い。

その上で履いた動的インプレッションは
ショーンハイト25 > リーガル25 > バーウィック6.5

同じ25.0でもショーンハイトはやや大き目のように感じる。
リーガルは靴内部の前半分が横幅・甲高・長さとも全体的にゆったりしている。多分3足の中で靴内の容積は一番大きい。
これに対してショーンハイトは、横幅が同じ、甲高が低い、長さが長い感じ。

バーウィックはUK6.5なのでこの3足の中では一番小さい。過去記事に詳細を書いたが、「リーガルの24.5≒バーウィックの6.5」相当と思う。
ほぼジャストフィットの靴で遊びはそう多くない。
これに対してショーンハイトは、横幅が広い、甲高が同じ、長さが長い感じ。

総じてショーンハイトは
「甲が低く、足先が余る」
となろうか。
  
リーガルと靴の全長はほぼ同じながら、足先の捨て寸がかなり多い。履き口が後ろ寄りで、かつ甲が低いため靴ひもを締めると足が靴の中で後ろに動きかかとに密着するからだろう。
靴内の空間が小さいのに逆にリーガルより大き目に感じる理由は、甲のキツさを補って余るあるほどに広大な足先の隙間(捨て寸)にあるような気がする。
 
次に、特徴(特長ではなく)だが、
 

画角の関係で両端の靴がやや斜めに写っているが、3足の右だけを並べてみると写真のような感じ。シルエットの違いはなんとなく分かるだろう。
また、全長は写真のとおりショーンハイト(左)とリーガル(中)が同じで、バーウィック(右)がやや短い。
シューキーパーのバネの縮み具合を見ても、右のバーウィックのサイズが他の2足よりも小さいことが分かる。

履き心地(キツさ)に大きく影響する小指の付け根の張り出し部分の位置は3足とも大差はない。微妙にショーンハイトがかかと寄りか。でも実際に履くとどの靴も違和感はない。
 
ショーンハイトが他の2足と大きく違うのは次の2点である。

一つ目はつま先が小さいことである。
丸まってる、尖がってるという形状の話ではない。
写真の履き皺の位置が明らかにつま先寄りである。つまり鏡面磨きできる部分がかなり小さいのである。単にストレートチップじゃないからというわけではなく、先芯(先端の固いインナー)のサイズそのものが小さい。

このことによって、

●メリット:
屈曲が良く、とても歩きやすい。

●デメリット:
履き皺がたくさん出来てみっともない。「2本皺」に美学を感じる人にはおススメできないかも(笑)
 また、カッチリ感が弱くなる。

みたいな感じだろうか。
あくまで個人的感想だが。

ちなみに、ラバーソールはリーガルの2504に似た意匠と材質である。ツルツルな表面を使用とともにざらつかせ、次第にグリップさせるというあの独特のゴム底である。
気持ち2504のラバーより柔らかいか。
製法も2504と同じグッドイヤーウェルトなのに、とても柔らかい履き心地で、少し甲が窮屈なのが玉に瑕だが、あとは申し分のない履き心地、歩き心地である。
リーガル2504の次の日にショーンハイトを履くとカッチリ感のギャップが大きいので、連続しないようなローテーションが必須である(笑)

二つ目は履き口が後ろ寄りにあること。
これは写真からも明らか。また、履き口のサイズもやや小さい感じがする。
このラストが合うか合わないかはもう個人ごとの足の形次第だろうと思う。
ちなみにtoskaniniはどちらかというとリーガル型が合うようである。
ショーンハイトだと、フィッティング具合をやや誇張して表現すれば「足首の締め付けがきつめで足先ガバガバ」みたいな感じとなる。(あくまで誇張したイメージだから・・・)

だが、地面への当たりの柔らかさ、屈曲に必要なエネルギーの少なさ、適度なコツコツ音など「快適な歩行」という靴に求められる最もプライオリティの高い性能では特筆すべきパフォーマンスを発揮する。

革質もきめ細かく、手入れのしがいのある愛着仕様(笑)。 当然に、これからもこのショーンハイトは、お気に入りの一足であり続けるし、週1ローテのスタメン入り確定なのである。

このジャンルから
 革靴2(バーウィックのラスト「19」と「117」の違いについて)
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