2019年2月3日

No.57 バーウィックの靴 ラストによる違い(「19」と「117」)

革靴好きのひとって案外多いみたいで・・・

オヤジ系道楽ブログでは長らく、最もアクセス数の多い記事は「伝説の名車 ソニカ」の紹介記事だったのだが・・・
ダイハツ ソニカ 買っちゃった ~モノづくり雑感1~

最近は、リーガルとバーウィックを比較した以下の記事にその座を奪われそうである。
趣味に「靴磨き」が加わった! バーウィックとリーガルのサイズ感について

ということで、新たにバーウィックの靴を買い足したこともありちょっとバーウィックのラストの違いをレポる。




手前が、バーウィック 1251 ラスト19の内羽根ストレートチップ
  サイズ6.5 ダイナイトソール

奥側が、バーウィック 3011 ラスト117の外羽根プレーントゥ
  サイズ6.5 ダイナイトソール

前回の記事で紹介したが、サイズ感はほぼリーガルの24.5cm。全般的にリーガルよりやや甲高と思う。

また、ラストとは靴の「型」であり同じメーカーの革靴でも複数の型を使い分けて製造されるのが普通である。

足の形って人によって大きく異なり、例えば、長さの長い短い、幅の広い狭い、甲の高い低い、外反母趾ぎみの人、第1指が一番長い人、第2指が一番長い人等々、とにかく自分の足にあったラストの靴を見つけるのはほんとに難しい。
誰でも、何かしらの不満を抱えながら今の靴を履いているはずである。
自分に合う靴に出会った人はそれだけで幸せになれるのではないかと思う今日この頃。
オーダーメイドシューズが密かなブームなのも頷ける。

バーウィックも複数のラストを持っているが(確か6~7種類ぐらいだったか?)
「19」はオーソドックス、伝統的、標準的なラストという位置付け。なのでつま先も普通形。
「117」はシャープ、細身、ややモード系との位置付け。なのでつま先はややシャープトゥ(少しとがりぎみ)今風に言うと「ロングノーズ」が分かりやすいか。
 ちなみに現行ラインナップに「177」というラストがあるがこれとは別物(まぎらわしい!)である。



左が1251(ラスト19)、右が3011(ラスト117) 正直これだと違いが分からない。


これが ラスト19 の靴 


で、こっちが ラスト117の靴。 
んー、まだ違いがわかりにくいと思う。



なので、靴の右だけを並べて比べてみたのがこちら。左側がラスト19、右側がラスト117。

明らかにラスト19の方が人間の足の形に近い。
ラスト19は、足の内側(親指側)がつま先まで直線に近く、小指側の付け根部分が大きく張り出している。

一方のラスト117は、親指側も小指側も中指に向かって収斂し、どちらかと言うと左右対称に近い。
こうして改めて見るとシルエットがこれほどはっきりと違うとは・・・



トゥの形もそれぞれ一足ごとに見るとシャープさの違いがまったくわからないのだが、並べて見るとその形の違いは一目瞭然。
左側がラスト117、右側がラスト19。
ラスト117が細身のポジションであることに納得、である。

さて、肝心の履き心地だが、ラスト117の6と1/2はちょうどすぎてややツライ感じがする。

同型ラストのサイズ違いは幾何学でいうところの相似関係にあり、内寸25cmの革靴だと全長30cmぐらいで幅10cmぐらいだから、ハーフサイズ(0.5cm)大きい靴にすると、幅がざっくり2mm弱広くなるわけで、このぐらいが丁度いいかも。
捨て寸が増えるがロングノーズなのでそれもありと思う。

朝はほんとにジャストフィットで気持ちいいのだが、夕方から夜になると足がむくんで締めつけ感が出てくる。
バーウィックの滑り皮はスエード製で踵をしっかりホールドしてくれるから、少しぐらい紐をゆるめても足が靴の中で暴れることもない。
なので夜、靴のキツさを感じたときは素直に紐を少し緩めることにしている。

一方のラスト19の6と1/2は絶妙。日本語的には変な表現だが、「きつさとゆるさのバランスが丁度良い」のである。
決して「きつくもなくゆるくもない」のではない。
「適度にきつくて適度にゆるい」のだ。
どう違うんだ?と言われても感覚的なものなので説明がとても難しいのだが・・・
足の形に合っている感あり。
完璧さを求めれば、小指の張り出し部があと5~10mmだけ指側(先側)にあるとほんともう完璧かな。

もちろん、1251も3011も、どちらの靴ともグッドイヤーウェルトなのでダイレクト感や堅牢さは言うに及ばず、コルクが足の形に沈んだあとは、足裏に吸い付くような履き心地。

また、甲の高さもやや日本人の平均より高いtoskaniniにピッタリ。

なのでどちらも、お気に入りの靴。
週一ローテなので、しっかり手入れすれば大分長持ちしそうである。

バーウィック購入に悩む人の参考になれば。
バーウィックのラスト違いという、一体何人が興味を持って見るのか分からない超マニアックなレポでした(^o^)


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6 件のコメント:

  1. すごい。
    117 Lastのモデルを購入検討中なので大変参考になりました。

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    1. Unknownさん、コメントありがとうございます。
      正直、マニアック過ぎてスルーされる記事だと書いた本人が思ってましたが、参考になるのであれば嬉しいです。
      良い靴選びができますように。

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  2. ラスト19でワイズが狭くないでしょうか?私、UKサイズが6.5で、ちょうど、今、1251の購入を考えてますが!?

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    1. Unknownさんコメありがとです。
      相対的にラスト19は117よりワンサイズ幅広で、リーガル、ショーンハイトの似たシェイプの靴とほぼ同じか気持ち狭め、が印象です。
      すみません。定性的表現で。
      ただ、バーウィックの革質は買った後でも、当たって痛いところがあればシューキーパーに絶縁ビニルテープで盛りを作って部分的に革伸ばしが可能です。
      私はラスト117でそうやって履いてます。
      いい選択だと思います。1251。

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    2. 私、ラスト19のサイドゴアブーツの849を持ってますが、それは、6.5サイズでは、ワイズがキツすぎて、サイズを1.0上げたのですが?ブーツと単靴じゃ違いますかね!?

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    3. すみません、サイドゴアブーツの848の間違いでした!訂正します!

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