2021年6月12日

No.84 国産鉱物17 宮城県で紫水晶・メノウを採集

いつもの場所でアメシストを採集した。
おや?
どうやら先客がいたようで、沢を遡上する途中でいくつか割石の残骸が・・・
この沢筋は沢に沿って走る林道が崩壊していることなどもありアクセスが良くないため、過去に釣り師以外に出会ったことがなく、自分の過去の採集痕跡以外は見かけることがなかったのだが・・・

実は、このブログの鉱物採集シリーズの宮城県編については、記事を丹念に読んでいくと採集場所が分かる(正確には「推定できる」)ようなヒントをこっそり忍ばせてある。
特定のキーワードと写真に紐付けられた知識と連想による一種の謎解きである。
とある「知識」が必要なので解けるのは近辺在住、よほど鋭い人でも近県在住の方に限定されるとは思うが。

この採集痕跡を残した方が当ブログから場所を特定したのかどうかは分からない。しかし、もしそうならきっとこの記事も見ているだろうから一言言わせてほしい。
「Congratulations!」



外側が潜晶質、中心に向かって次第に結晶化している標本。
色も濃い目で綺麗。紫の石英なのかアメシストなのかが実に微妙だが、ルーペでみると結晶の粒が判別できるのでギリでアメシスト認定ということで(笑)

ちょうどいいサイズ感、滑らかな川ずれ具合、座りの良い(置きやすい)形、カラフルさ、テクスチャーの変化具合、なかなかいいメノウだと思う。




これは珍しい。いわゆる「乱喰いメノウ」である。
一度層状に形成された縞メノウが、おそらく造山活動(地殻変動?)によりバラバラに粉砕され再度岩石となったもの。
なのでこの岩塊自体は礫岩の一種に分類されるのでは?と思う。
サファイヤルックな濃いブルーかつ透明度の高い部分も見えていい感じである。
たまにこのタイプの小石を見つけることがあるが、これぐらいの大きさの標本は初めて。
でも、色はこの青~群青系しか見たことがなく赤の要素を含む「紫」のは見つけたことがない。



 国産鉱物9(福島県のX鉱山産の紫コレクション) 
 国産鉱物8(宮城県産の沸石・紫水晶を採集)
 国産鉱物7(宮城県産の紫水晶・メノウを採集)
 国産鉱物6(宮城県産の紫水晶・メノウを採集)
 国産鉱物5(福島県産の蛍光鉱物を採集)
 国産鉱物4(宮城県産の紫水晶・メノウを採集)
 国産鉱物3(宮城県の紫水晶・メノウ産地を発見せよ!)
 国産鉱物2(福島県の失われた鉱山跡を発見せよ!)
 国産鉱物1(新潟県産のヒスイを採集)
 国産鉱物番外(阿武隈川本流で砂金を発見せよ!)
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5 件のコメント:

  1. はじめまして。
    こ-たと申します。
    鉱物採集のサイトを探していたらtoskaniniのブログにたどり着きました!
    大変面白い内容ですので全て拝見させて頂きます。
    加えて、大変初歩的な話で申し訳ないのですが、1点ご教授頂ければ幸いです。
    採取場所を探すには、何を足掛かりにして探して行くのでしょうか。まだ少ししか見ておりませんが、ブログを拝見する限り、鉱山跡地を探してその近辺を当たっていくのでしょうか(やはりどのサイトでも採取場を明らかにはほとんどしておりません。。)。

    toskaniniさんは大ベテランだとお見受け致しますので、鉱物採取をこれから始めようとする私にアドバイス頂ければ嬉しい限りです。
    どうぞ宜しくお願い致します。

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    1. こ-たさんコメントありがとうございます。
      以下、私のやり方です。ご参考になれば。

      まずは文献調査です。
      各県の公立図書館で「○○県鉱産誌」や「○○県史(自然編)」などの公的文書を探し、明治期~昭和初期に稼働していたその県の代表的な鉱山の名前と場所(多くは大字までの住所が記載してある)、産出鉱物を調べます。
      そして、25,000分の1の地図、地質図を入手し、あとはひたすら現地に行って抗口又はズリ場を探します。
      ただ、闇雲に探すのではなく、地質図やネット情報であたりを付けたり、川でパンニングして上流の鉱物産出を想像したり、地元古老に話を聞いたり、この過程が宝探しの醍醐味です(^^)

      一点だけ御注意です。
      くれぐれも、私有地で許可なく採集しないよう注意してください。私有地かどうかを調べるには公図と登記情報が必要ですが入手方法はネットで調べていただければと思います。

      ぜひ素敵な鉱物採集ライフをお過ごしください。

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  2. toskaniniさん、丁寧な回答ありがとうございますm(_ _)m大変参考になりました!
    採取場所ってそうやって探すんだ-と目からウロコです。下調べの段階から宝探しみたいで、凄くワクワクします(•‿•)

    土地所有者について、あまり考えていませんでしたので助かります!
    私有地の場合、所有者に連絡して許可をとるのは、toskaniniさんの経験上、拒否されたりした事はごさいますか。
    また、川や山で所有者が国や県だったりする場合は、特に許可は取らず、派手に荒らさないように採取すれば問題ないと思っているのですが、どうなんでしょうか。。

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    1. 土地所有者に断られたことは無いような気がします。きちんと目的を説明し礼を尽くすことと、何より「菓子折り」が効いているかと(^^)

      また、私の場合、水石趣味も併せて石拾いする関係で、実際には川での採取が多いのですが、国土交通省所管の河川での岩石類の採取は、営利目的の採取(庭石として売るとか)以外の場合には通常黙認してもらえます。
      石を何個か拾うだけなので、水利権や漁業権の侵害にも当たりません。
      その他の公有地でも石を何個か拾う程度であれば問題はないと思います。

      注意が必要なのが、自然公園です。国定公園や県立自然公園の区域内では原則として一木一草に至るまで採取どころか動かすことすら禁止されていますので、そこだけは諦めてください。

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  3. toskaniniさん
    基本的なことに色々お答え頂きありがとうございましたm(_ _)m
    教えて頂いた採取の際のマナーは守っていこうと思います!来週からお盆休みに入るので、鉱山跡について調べていこうと思います。
    鉱物採取に取り掛かるにしても、何から始めてどうすれば良いものか全く分からなかったので大変助かりました!
    陰ながらtoskaniniさんを先生と思っております(笑
    これからも採取関係のブログの更新楽しみにしてます(。•̀ᴗ-)✧

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