2012年12月24日

No.31 ブライヤーの万年筆についに手を出してしまった(プラチナ#3776ブライヤー濃)



tskは万年筆が好きなのだが、万年筆のどこがいいのか?と聞かれれば、

「筆記の楽しさ」

ボールペンはどんな粘性の低いゲルインクだろうと、それなりの筆圧をかけて滑らせないと文字が書けない。シャープペン、鉛筆も同様で筆圧をかけずには字は書けない。
万年筆だけが、ほぼ筆圧ゼロでの筆記が可能な唯一のガジェットなのである。(ペン先の設計により弱い筆圧を要するものもあるが・・・)
単純に書いてて気持ちいい。すらすら~さらさら~

「所有する喜び」

1本でもいい万年筆を持つと、もう1本別のものが欲しくなるから不思議である。一般にオヤジ系のむさい趣味かとも思えば、最近は「万年筆女子」も増殖中とのこと。
何十本も所有するコレクターが多いのも特徴。

「カスタマイズで愛着が湧く」

長く使い続けることで、ペン先が自分の筆記スタイル(ペンの寝かせ具合、ペン先を紙に当てる角度、筆圧)に合った形にすり減ってますます書き心地が良くなっていくのである。
また、普通の人が万年筆と聞くと、黒かブルーブラックのインクを連想するだろうが、ボトルインクを使うようにすれば、多種多様な自分好みの色のインクで楽しむことができる。
美しい色のインクの独特のかすれ、にじみなどに趣を感じる人も多い。

ところが今回、ふとしたことで新たな楽しみを知ってしまった。

それは「育てる愉しみ」である。

プラチナの#3776シリーズ。「ブライヤー(濃)」を衝動買い。
ちなみに、プラチナの3776ブライヤーは、色がこげ茶色のと、明るい茶色のがあるのだが、こげ茶色の濃い方が「ブライヤー(アカ)またはアカブライヤー」で、明るい茶のほうが「ブライヤー」と語感とは逆の名称なので勘違いしないように。

木軸の万年筆は今回初めて購入。

木軸万年筆は、個体ごとに木目や模様の出方が違うため、通販やネットではなく現物を手にとって確認して購入するのがマニアの常識。
しかし、地方都市に住んでいる身の上では・・・やむを得ずネットの最安値店で購入した次第。
ちなみに、ブライヤーは貴重な高級天然素材で近年産出量も減少傾向らしい。
プラチナのブライヤー万年筆は定価で3万円ほどするが、ネットでの評価は大勢が「プラチナブライヤーはコスパが良すぎ!(安い!)」との評判。

「ブライヤーは、地中海沿岸地方原産のエリカ・アルボリアというヒース科の落葉低木です。パイプやステッキの柄にも使われるため、熱に強く硬いという特徴があります。25年~100年を経た株の塊状のこぶ(burl:バール)を使い、万年筆を作ります。木目の美しさに人気があり、使うほどに光沢が出て、愛蔵の1本になります。」(メーカーの商品説明より)


そう、長く愛用されたパイプのように使うほどに光沢が出て愛着3倍増!みたいな感じなのだ。

実際に、ネットで「ブライヤー 万年筆」でググるとコレクター諸兄の自慢の一本の写真がわんさかと出てくる。
使い込んだブライヤー万年筆は色の濃淡にかかわらず本当に美しい。
ある人のブログでは、「何十本ものコレクションを整理・処分するときに特別に愛着がある万年筆だけ手元に残したらブライヤーだけが残った」みたいな記事があったが、その気持ちにはとても共感が持てる。

研磨剤入りの磨き布で磨くと短期間で光沢が出せるそうだが、無理に光沢を出すつもりはない。

美学の問題ではあるが、道具は使ってナンボ、筆記具なら書いてナンボ、である。
毎日この万年筆で字を書くことにして、しまうときに柔らかい布で拭いてからしまうように心がけることにしたい。
そうした行為の長い期間の積み重ねにより光沢を生じることこそtskにとっての愛着の源泉なのである。

同じブライヤー軸の万年筆でも表面をラッカー処理してあるとなんの経年変化もないのだが、このプラチナのブライヤーはごくごく薄い漆が塗ってあるだけなので使い込むと時間を掛けて色の変化、光沢が生じてくるそうである。

ペン先は14金製で「細字(F)ニブ」を選択。細字に定評のあるプラチナだけあって書き味を表現すれば「サラサラ」が近いかな。

快適である。

ついでに、セイラープロフィット(ペン先は21金製の長刀研ぎBニブ)書き味「ヌラヌラ」、パーカーソネット(ペン先は18金製のMニブ)書き味「サリサリ」と一緒に記念撮影。




下は、NAGASAWA神戸の3本差しレザーペンケース。サイズSで色はボルドー。

これはかなり秀逸な品で、上質ななめし皮で愛用の万年筆達を傷からしっかりと守ってくれる。
日常的に万年筆を使うなら、こうした携行支援アイテムも大切だろう。

字を書くということは、文化的活動の根幹ではないかと。

そう思うし、実践したいなと思うのである。


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