2022年4月16日

No.88 伊達十境 その1~「猿跳岩(さるぱねいわ)」 

その場に行くと、空気が澄んでいて、心が洗われるような、そして何か不思議と力ややる気が湧いてくる、そんな場所を人はパワースポットと呼んで珍重する。
風水における龍脈の流れる場所みたいなイメージだろうか。

そんなお気に入りスポットを10箇所厳選した「伊達十境」を紹介しようと思う。
もちろん、toskaniniの勝手なセレクトである。
地図だけではたどり着けない場所もあるので、全制覇するのはなかなか難しいかも(笑)。
時間のある方はぜひ挑戦を!
いずれの場所も、感覚が多少なりとも鋭敏な方なら、美しき眺めとともに澄んだ空気と凛とした雰囲気を堪能できること間違いなしである。



阿武隈川下流域の狭隘部、宮城県との県境に近い場所にある「猿跳岩(さるぱねいわ)」。
両岸にそそり立つ一対の大岩。猿しか飛び渡れないから、と言われている。
なお、川に並走する国道349号の伊達市梁川町から宮城県丸森町までのルートは休日のマイ定番ドライブコースである。(特に夜明け頃の爽快感が極大!である)

さて、この猿跳岩には、面白い言い伝えがある。

右岸の大岩の上から左岸側を眺めたところ。いくら猿でもこの距離は無理でしょ、どう考えても(笑)
阿武隈川がちょうど北へ向かって大曲する箇所。

右岸の大岩の上には御稲荷様が祀ってあるので参拝を忘れぬこと。

地質学的にはありえない話で、よそのエリアの昔話が形を変えて流布された類ではないか、と推測しているが、出典も含め今となっては一切不明である。

 むかーし昔、とってもでっけぇ「でーだらぼっち」って言う巨人がいだんだど。
 どんくれーでっけぇがって言うと、「よっこらせ」って右足を日本海に突っ込んで、左足を太平洋に突っ込んで、日本列島をまたいで立つことができるぐれえでっかがったんだど。
 つーごとは伝説巨神イデオンよりもずっとでっかがったっていうごど(笑)。
 ある時、でーだらぼっちが土遊びすっぺど思って、日本列島から両手で土をすくって、それを隣にこんもりど置いだんだと。
 その時に土を取ったくぼみが、今の猪苗代湖になって、置いた土が磐梯山になったんだど。
 びっくりだない。
 そして、その頃は、今の福島とか郡山のあたりは大っきい湖だったど。
 それこそ猪苗代湖なんて比べものになんねぐらいおっきがったんだど。
 ある時、ひまを持て余したでーだらぼっちが、湖の東の端っこさある岩を指でちょん、て弾いたんだど。
 でごぴん、て言うのがい、きっとあんな感じだない。
 そしたら、なんと、その岩の真ん中の部分が取れて、勢いよく湖の水がそっから流れ始まったんだど。
 どんどん、どんどん水が減ってって、そのうぢ湖はすっかりなぐなっちまって、低い所をちょろちょろ水が流れるだけになって、そうやって、今の中通りと阿武隈川は出来たんだど。
 そして、そん時、でーだらぼっちが指で弾いた岩の残った部分が「猿跳岩」なんだど。
 ほんとに、びっくりだない。
 その後、でーだらぼっちがどうなったがって?
 誰も分がんねんだ。
 なんせ、むかーし昔の話だがら。はい、これでおしまい。






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 伊達十境その1 「猿跳岩」

2 件のコメント:

  1. こんにちは。先日某河川でお会いした者です。
    こちらのブログを参考に採集を楽しんでおりましたが、まさかご本人に出会うとは思わず、感激してしまいました。
    頂いたお土産は早速飾らせて頂きました。これからも素敵な採集ブログ楽しみにしております!

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  2. ユウキさん、先日はお疲れ様でした。
    予期せぬ良き出会いに感謝です!!!
    まさか、自分のブログを見てくれている方が、鉱物採集のため本当に川を辿ってくるとは・・・感激です。
    先日の成果は近々記事にしますので、引き続き当ブログをよろしく願いいたします。m(_ _)m

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