tskの音楽鑑賞は2パターンしかない。
自宅の書斎でCDを聞くか、パソコン・iPodでMP3形式の電子ファイルを再生するかである。
車通勤のtskは、車内でiPodのヘッドホンジャックとカーオーディオのラインイン端子をつないで音を出力している。
劣化必然なアナログ接続しているので、再生音は薄いベールを一枚被ったような、解像度や新鮮さに欠けるモヤッとした音となる。一聴して「良くない音」である。
もっとも、走行中の車内はエンジンノイズ、ロードノイズなどにあふれ、そもそもまともなリスニング環境ではなく、余計な金を掛けるだけ無駄。通勤時については現状でそれなりに満足ではある。
さてここで問題。
MP3形式で記録された音楽データを可能な限りいい音で聞くのにはどうすればいいだろうか。
・・・結論。いわゆるデジタルミュージックを書斎オーディオシステムへ導入すればいいと思い至ったのであった。
で、写真の2つの購入となる。ONKYO製のCDレシーバー「CR-D2」(写真では下)とデジタルトランスポーター「ND-S10」(写真では上)でネット格安電器店から新品を併せて約4万円で購入。
まずND-S10の役目は、iPodやパソコンの中からデジタルのままに音データを取り出すこと。
次のステップとして、電子回路上のデジタルデータを我々の耳で聞ける「音」というアナログデータに変換するためにデジタル信号が入力可能でD/Aコンバーター内蔵のアンプが必要となるのだが、ここで、CR-D2の出番となる。
「この値段(実売2万円台後半)でこの音はありえない」とネットでかなり噂になっていたコンパクトなレシーバーである。デザインも高級感があっていい。
CDを再生してみたが、かなり解像度の高い「冬の晴れた夜の月明かり」のような乾いたクールな音作りがされている印象を持った。好みにもよるが、人によってはボーカルの高音域の「サ行」が耳に突き刺さる印象を持つかも。tskはウォーミィで温かみのある音作りは苦手なのでむしろ好印象だが。
アンプは、一般に真空管アンプ(通称管アンプ)、トランジスタアンプ(通称石アンプ)、そしてデジタルアンプ(通称Dアンプ)の3つに大別されている。
tskの書斎のメインアンプ(下の写真)TU-880は真空管アンプ、(ちなみに右はメインのCDプレーヤーのKENWOODのDPF-7002)今回購入のCR-D2はデジタルアンプである。メーカーによれば「デジタルアンプ技術「VL Digital」回路を搭載」とある。
セレクター経由で今回購入のデジタル再生機器をつないだので、セレクターのスイッチ一つで既存のアナログ再生機器(真空管アンプ+CDプレーヤー)と切り替えながら、デジタル vs アナログの音の違いをダイヤトーンのスピーカーで厳密に聞き分けできるようになった
今後、セレクターを使用し厳密な聴感比較レビューをおこなっていこうと思う。
さて、iPodを接続して、早速デジタル再生をしてみたところ・・・
おーーーーーっ いいじゃないかあ!!!!
という感じです。
極めてクリヤーで解像度が高い。ビットレート320bpsの圧縮データだと聴感上はCDとほとんど変わらない印象である。
ただし、音が薄いというかやや軽い感じがする。圧縮データゆえかデジタルアンプの特性か、それともCR-D2の音作りのせいか判然としないが。オンキョウは昔から解像度重視の「怜悧」な音づくりをするメーカーだし。
ND-S10には小さいサイズのリモコンが付属していて、レスポンスよくiPodの再生/停止、曲送り、アルバム送りなどサクサクと操作できるのも○。
残念な点が一つだけ。CR-D2の横幅は20.5cm、ND-S10の横幅は21.5cm。そう、上の機器のほうが両端5mmずつはみ出しているのだ。
ND-S10のモデルチェンジ前のND-S1なら20.5cmでジャストサイズだったのだが。
この新旧モデルの違いは、iPhoneに対応してるかどうかだけの違いなので、iPodオンリーのtskは中古のND-S1をヤフオクで買えば良かったのにと反省している。
勝手にサイズを変えるメーカーにも文句を言いたいが、一番の原因は自分のリサーチ不足だと諦めるしかないかなと。
tskはパソコン上でMP3が標準では扱えないような時代(懐かしいWindows95)からパソコンに独自にエンコーダ、デコーダを組み込んで、手持ちのCDを中心にリッピングしまくってきたが、当時のマニア向け雑誌では、「64bpsが標準、高音質を目指すなら96、さらにストレージにゆとりのある人は最高音質の128bpsで記録すべし」とあり、128bpsのビットレート記録のデータを結構持っている。今となっては128bps程度では最低ランクの音質なのだが、当時のハードディスク容量との兼ね合いを考えればそれもいたしかたないかなと。
再生すると、128bpsは、やはり高音域の伸びが明らかに欠けてるし、全体にパワー感がない。車で聞いているときには高音域のカットに気付くことすらできないのだが、こうしてデジタル接続で聞くと良くない部分がはっきりわかる、ということはデータを極めて忠実に再生できているということの表れだと思う。
最近は160bpsで記録することがほとんど。これだと大分高音の伸びやかさが戻るし十分に高音質である。
128bpsと160bpsの差は大きく一聴して違いが分かる、が、160bpsと192bpsの差は明らかにそれよりはぐっと小さい。そして320bpsになると耳の肥えた人以外はブラインドテストでCD再生と区別が付かないだろう。
これだけ手軽にいい音で電子ファイルを再生できるとすると、CDの16ビットデータを超える24ビットのハイクオリティ音楽データって一体どんな音がするのだろうかと思う。
ちなみにマックのUSBポートと接続してパソコンの中のMP3データも再生してみたが、データは非常にクリヤーに再生できた。しかし、ややノイズが乗っており、パソコンの内部ノイズなのか付属の安いusbケーブルのせいなのかは現時点では不明。
将来的に24ビットデータ再生環境を整えるにはパソコンを再生機器にしなければならないことを考えるといずれ原因究明をせねばとは思う今日この頃。
(追記 2012.5.12)
フェライトコア付きのUSBケーブルに替えたら雑音皆無となったが、そもそも以前のケーブルでもノイズが消滅しており、購入当時のノイズがなんだったのか、気のせいではなかったかとも思える。
しかしやばい・・・またビートルズの24ビットFLAC形式音楽データ入りUSBメモリ(3万円ぐらいか)を購入してしまいそうだ。
ああとても我慢できそうにない。
次のブログ記事がビートルズのFLACデータ紹介でないことを、最近寒い我がふところのためにも祈りたい。マジで。
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