たまに猛烈にお茶したくなるときがある。
うまいお茶が無性に飲みたくなるのである。
今時ペットボトルのお茶なんて自販機やコンビニなどどこででも手に入るのだが、あれは、工場加工品の清涼飲料水ですから(^^)
もっとも「喫茶」や「茶藝」が有する精神世界の奥深い官能はたかだか140円程度では望むべくもないのだが。
いい茶葉を・・・
一流の茶器で・・・
作法(多少の自己流可)に則り・・・淹れる。
そして、飲むロケーションにもこだわる。
tsk的には大自然の中でいただくのが最高。えも言われぬ至高の一時となる。
そこで登場するのが、アウトドアでの本格お茶のみ道具、「宝瓶急須」である。
聞き慣れないが、「宝瓶急須」は取っ手の無い急須であり、別名「旅持ち急須」とも呼ばれる。
取っ手が無いがもともと60度前後で淹れる玉露用に用いられるのでそれほど熱くはならないらしいのだが、たしかに玉露以外のお茶に使うと持ち方を工夫しないとちょっと熱い。
一説によれば、中国の「蓋碗」(蓋付きの碗で、茶葉を入れ抽出しそのまま飲む器、急須と湯呑を合わせた使い方をする)が由来とも言われてるから、tskは大好きな中国茶をアウトドアで飲むのに使用している。
桜色の厚手(クッション効果のため)の巾着のなかに宝瓶急須と中国茶の茶葉を入れたブリキ缶を収めてよくサイクリングに出かけるのだが、この急須には同じ材質の白磁製の湯呑みが2つ付いており、重ねて急須の中にちょうど収納できるように工夫されている。
まさに旅持ち急須の名に恥じぬ仕様である。
また、茶器としてのつくりも見事である。急須、湯呑みとも中薄の白磁は雪のような白さと固く焼き締まった質感で工芸品としても見飽きないものがある。
購入したのは4年ほど前だが、我ながらいい買い物だったと思う。
当時、宝瓶急須のセットでパッケージング、デザインが秀逸なものは少なく(もともと宝瓶急須自体の市場流通数が圧倒的に少ないのだが)探すのが非常に困難で、時間をかなりかけて探しまくった記憶がある。
ウイスキーの記事でも述べたが、お茶も同時に飲み比べてこそ初めて分かる違いもある。
台湾茶専門店から様々な産地の烏龍茶の茶葉を買い、飲み比べてみると、同じ烏龍茶でもその味の差異にびっくりさせられることがある。
写真右、「極上品 特選 東方美人」は超おすすめ。中国茶の分類では青茶に属する銘柄で台湾を代表するお茶である。極上品の看板に偽りなしの味、香りであった。上品でほのかな甘さを持ち、爽やかで鼻の奥に柔らかく抜ける芳香、余韻もまたかぐわし。3番茶まで香りが楽しめた逸品。
お茶受けは最近、ドライフルーツがお気に入り。
マンゴーやパイン、いちじくなどが烏龍茶に良く合うと思う。
時間をかけて丁寧にお茶を入れて、木々のざわめきの中で極上の烏龍茶を味わうと、こころが安らいでいく。
日頃の仕事でのストレスも青空の彼方に溶けていくみたいな。
そんなとき「ああ贅沢な時間だなあ」としみじみ思うのである。
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