「道」のほうじゃなく、アイテムに興味を抱くところがなんとなく邪道っぽいが。
香木とは、心地よい芳香を持つ木材の事で、広義には、樹木より採れる香料全般のことだが、通常は「伽羅(きゃら)」、「沈香(じんこう)」、「白檀)びゃくだん)」の三つを指す。
「伽羅」は沈香のうち最高級のもの。では沈香とは・・・
「東南アジアなどの熱帯地方で産する高級な香木のことで、ジンチョウゲ科ジンコウ属のアクイラリアという学名を持つ樹木の材や根の中心部、いわゆる心材の部分で見つけることができる。
東南アジアの深山から稀にしか発見・採集されない貴重品で、特殊な樹木の一部が特定の条件下において樹脂化し、数十年から数百年の間熟成されたもの。なかでも樹脂分の多い最高品質のものは「伽羅(きゃら)」と呼ばれ、ベトナムでしか産出されない。この「伽羅」の最上級品はグラム換算すると金の数倍もの価値がある。」
良質の伽羅はベトナム戦争と終戦の混乱でベトナムから国外に散逸したと言われており、現在、良質でまとまった大きさの「姿木」を見つけるのは困難である。小割片やマッチ棒条の刻み片、粉状のものに到るまで高額で取引され「伽羅」であるだけで価値は天井知らず、「沈香」ですらかなりの値段で取引されている。
一方で、要は「匂いのする木」なので、ネット販売やオークションでは古びた木片に香料を染み込ませただけの偽物もかなりの量が出回っている。
最高級伽羅が格安!みたいな出品は、冷静に考えて供給量からして最高級伽羅が格安で入手できるはずがないことなど簡単に分かりそうなものだが、引っかかる人も多いらしい。
売った側は、「あんたの鼻がおかしいんじゃない?」とか「そういう香りなんですよ」の言葉でクレームを潰せるだろうから、悪質な売り手が全然減らないのだろう。
希少価値のある伽羅と沈香の状況はそんな感じだが、インド原産でビャクダン科の常緑高木の芯材である「白檀」になるとぐっと有りふれた素材となり、仏像などの彫刻、扇⼦、念珠などに幅広く利⽤され、匂香や焼香など、調合香の材料にも用いられている。
防⾍効果もあり、⽢く爽やかな香りをもち、インド南部産のものが最上品とされている。いい香りの木片が数百円から普通に買うことができる。
次の写真は、2006年頃、東南アジアからの輸入業者からを入手した「沈香」。
サイズは最も長い部分で約10cmぐらいである。
色の濃い部分が樹脂部分で薄い部分が木質部分となる。樹脂部分が多ければ多いほどただの木材に比べ全体の比重も高くなりズッシリと思い木片と化す。
高級な物は比重が1を超え、水に沈むらしいことから、「沈む香り」がその名の由来である。
最長で10cm程度、重さ約28g。乾燥させた木にしては確かに重い。
かなり樹脂分が多く色も黒い部分が多い。
香木の中でも沈香や伽羅は貴重なので、わずか数cmの木片単位で取引されることも多いことを考えると、この沈香はかなり大きめの部類に入るのではないかと思っている。
当然ながら、常温ではなんの匂いもしない。
色の濃い部分が樹脂部分で薄い部分が木質部分となる。樹脂部分が多ければ多いほどただの木材に比べ全体の比重も高くなりズッシリと思い木片と化す。
高級な物は比重が1を超え、水に沈むらしいことから、「沈む香り」がその名の由来である。
最長で10cm程度、重さ約28g。乾燥させた木にしては確かに重い。
かなり樹脂分が多く色も黒い部分が多い。
香木の中でも沈香や伽羅は貴重なので、わずか数cmの木片単位で取引されることも多いことを考えると、この沈香はかなり大きめの部類に入るのではないかと思っている。
当然ながら、常温ではなんの匂いもしない。
正倉院御物でおそらく日本で最も有名な香木である「蘭奢待(らんじゃたい)」も1000年以上たっているのに香木としての品質には全く劣化がないらしく、沈香は熱して樹脂を溶かさない限り物質としては極めて安定状態を保ち続けるのだろう。
この「蘭奢待」、正倉院宝物目録には「黄熟香(おうじゅくこう)」の名で記されている。由来については詳しいことが分かっておらず、中国からの献上品であるとか、仏教を学びに中国へ行った僧が持ち帰ったなど、様々な説がある。
この「蘭奢待」、正倉院宝物目録には「黄熟香(おうじゅくこう)」の名で記されている。由来については詳しいことが分かっておらず、中国からの献上品であるとか、仏教を学びに中国へ行った僧が持ち帰ったなど、様々な説がある。
「蘭奢待」と呼ばれるようになったのは記録の初出時期からは足利義満の時代からと言われており、その名の由来は「猛々しい奢った侍が欲しがる芳しく美しいもの」との意味であるとも。
「蘭(らん)」という字はくさかんむりに「闌」という漢字を組み合わせたもので、「闌」とは「閉じ込める」という意味。これは蘭が良い香りを閉じ込めた花であることを示しており、確かに著名な香木の名称に用いるのにこれ以上の漢字はないように思う。
また、それぞれの文字を良く見ると「蘭奢待」の字には「東・大・寺」という文字が隠れており、正倉院とは言わずと知れた東大寺の境内にある重要物品倉庫である。昔の人の巧妙なアナグラムに感嘆、である。
この蘭奢待、歴代の天皇や将軍たちは手柄のあった者に対し、この香木を切り取って与えたことから、この香木を持つことが権力者にとってのステータスとなり、やがて「蘭奢待を持つ者=天下人」であるという伝説となっていく。
「蘭(らん)」という字はくさかんむりに「闌」という漢字を組み合わせたもので、「闌」とは「閉じ込める」という意味。これは蘭が良い香りを閉じ込めた花であることを示しており、確かに著名な香木の名称に用いるのにこれ以上の漢字はないように思う。
また、それぞれの文字を良く見ると「蘭奢待」の字には「東・大・寺」という文字が隠れており、正倉院とは言わずと知れた東大寺の境内にある重要物品倉庫である。昔の人の巧妙なアナグラムに感嘆、である。
この蘭奢待、歴代の天皇や将軍たちは手柄のあった者に対し、この香木を切り取って与えたことから、この香木を持つことが権力者にとってのステータスとなり、やがて「蘭奢待を持つ者=天下人」であるという伝説となっていく。
実際に、蘭奢待には足利義政、織田信長、明治天皇という時の権力者たちが切り取り、その切り取った場所には付箋が残されているのだ。toskaniniは歴史の中学時代に歴史の図表かなんかで1.5mほどの大きさのその名香木の写真を見て感動した覚えがある。
さて、購入した我が家の香木に話を戻すがさっそくネットで香炉での香木の熱し方を調べて、作法そっちのけながら小指の爪程度の薄片に削った沈香木を熱してみた。
さて、購入した我が家の香木に話を戻すがさっそくネットで香炉での香木の熱し方を調べて、作法そっちのけながら小指の爪程度の薄片に削った沈香木を熱してみた。
おーーーっ
強烈なにおいではなくまさに香る感じ。
少なくとも、偽物ではなかった。それだけで嬉しい。
インセンス、いわゆるお香がかすかに香るような。
確かに高貴な「にほい」がする。かすかな甘さの中にわずかな酸味が感じられるような気がして、全体として清新でさわやかなイメージ。
十分に満足し、奥深い香道の一端に触れた(と勘違いした)一瞬でした。
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