京都へ行ったのは修学旅行の一度だけだが・・・tskは日本庭園、とりわけ枯山水の庭園が好きである。
枯山水の名庭と言えば、真っ先に誰もが思い浮かべるのが「龍安寺の石庭」。
エリザベス女王が絶賛したとか(一説によれば実は酷評であったとの話もあるが)で、海外からの観光客の人気も高い。
22m×10mの敷地に白砂を敷き詰め、15個の石を一見無造作に(実は緻密に計算されて)5群に分けて点在させただけのシンプルな庭である。雄大な山水渓谷の景を日本人独特の感性を研ぎ澄まして写した「枯山水」のマスターピースである。
無をもって有を為す、的なところがあり、じっと見ていると白砂に川の流れを誰もが感じる・・・のは、tskだけ?
最近、この石庭の実測図を手に入れたのであった。
趣味が高じて、tskの自宅の庭の一角には自作の枯山水もどきがあるのだが、とても恥ずかしく通行人の目に触れないようわざわざ塀で隠れる場所に造ってある。
0.8m×3mの方形スペースに白い玉砂利を敷き詰め、そこに地元の広瀬川から拾ってきた30~40cmサイズの石を3つ配したシンプルなもの。
石の配し方は伝統的な和のデザイン原理である「不均衡」と「余韻(余白)」をベースに。
具体的には3個の石のサイズと形をそれぞれ異ならせて、かつ、それらを上から見ても正面から見ても2等辺3角形を形づくるように配置してある。
出来は、正直に言って、また、ひいき目に見ても「ダメだねこりゃ」のレベルである。
縁側に座って眺めても心が落ち着く・・・なんてことはない。
自作枯山水については、放射能の除染に合わせて模様替えを予定しているので、その後に写真をアップしようかなと。
「龍安寺の石庭を毎日眺められたらなぁ・・・」
枯山水オタクの誰もが思う夢である。
そこで思い立ったのが、レプリカ作成である。
正確な配置は分かった。
さまざま角度から写した写真を100枚ぐらい集め、15個の石のディティールは大きさ、色、表面の具合、節理の状態、川ずれの程度までばっちり調査した。
室内で楽しめるよう80cm、大きくても1m程度の木箱の箱庭に仕上げようと思う。
誰も成し得なかった、忠実・精密系レプリカを目指す。というか目指したいのだが・・・
問題点が2つ。
・材料が自然石であるゆえに、15個それぞれにそっくりな石を探すのに何年要するか(何年程度ですまない公算が大)。そもそも色や形のそっくりな石を見つけることの困難さは半端ない。かれこれ20年来「水石」探索で河原を歩き続けている経験からもそれは確かである。
・実際の比率どおりに作ると、「だだっ広い白地に小石がちょぼちょぼ」となるのが目に見えているので、レプリカは「心象レプリカ」にせざるを得ないこと。視界の中に入れた時に同様に見えることが大切であるから、石の大きさと配置に相当のデフォルメが必要となる。
おそらくライフワーク的な仕事になるのではと思う。「無謀なことを」と思いつつ。
やりがいがある、燃えてきた(笑)。
もう春。また川に行きたくなってきた。
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