当時の原資は貴重なアルバイト収入(家庭教師)である。
だから、投資を始める際に絶対的ポリシーを自らに課した。
「1、余裕資金しか投資しない」
「2、損は取り返そうとしないであきらめる」
「3、儲けの半分は再投資する」
1は、常識レベルで当たり前の話。これを守らないと身を滅ぼすこと必至。
ポイントは2、これはホントに難しい。余裕資金だったのだから損だけど生活できてるし損してないのと同じ(笑)、とか無茶な論理構成を自分で自分に言い聞かせたこともある。
熱くなりすぎないためのセルフマインドコントロールなのだが、これも、余裕資金だからこそできる考え方。
3もポイント。儲けを全部費消しては資産が増えていかないし、かといって全部再投資するような守銭奴じゃ人生つまらない。
なので「利潤の投資性向0.5」は大事なマイルール。
今もこのポリシーをほぼ忠実に守っている。
さて、そうすると、利潤の半分は自由に使っていいことになるのだが、実はそちらの使い道はあまり一貫していない。
それなりの額に貯まる度、パソコンや服や腕時計、ビートルズグッズ、ゲーム機、飲食等々に充てられていった。
中にはマニアックな品々の購入も数多い。(伽羅や沈香などの香木、ヒスイやオパールの原石、鍛造の和式ナイフ、勾玉、スターリングエンジン、復刻版電子ブロック、バイオレッタ、古今東西のキャストパズル、ガンスパーク的な車の改造パーツなどなど)
当然、その後に興味を失いゴミと化す物体もそれなりにあって、一般に浪費と言えるのだろうけど、toskanini的にはもったいなかった、とか無駄遣いしちゃった、とは全然思わないのだ。
なぜなら原資が不労所得だから。ある意味、感覚的にはタダで貰ったアイテムと同等なのである。
だが、ある時、ふと思った。
「ただの物じゃなくて美術品を買えばいいんじゃね?」
投資の儲けで美術品を購入しさらに投資すれば効果は倍々累々、マクロ経済学でいうところの乗数効果モード発動じゃね!
・・・と、かなり邪な動機で手頃な価格の美術品をネットで漁り始めたのだが・・・
いろいろな作品や解説、画家の生涯や名画に秘められたストーリーなどに数多く触れるうちに投資対象としてではなく、「儲けなくちゃ」が「お気に入りの絵画とともに日々の精神の安寧を」と思うようになってきたのである。
すさんだ心を美が癒やしてくれたのかな、とも思う。
toskaniniは高校の時、運動部と美術部を掛け持ちしていた(さらに友人に頼まれて入った鉄道研究会の幽霊会員でもあったので、部活トリリンガル状態(笑)。)
運動部のオフシーズンである冬季だけ参加する不真面目美術部員で、当時は油彩画オンリーだったが、就職し、趣味で描くには、準備や片づけが面倒なのでどうしてもスケッチのみかパステル画になってしまう。
その時期にパステル画の魅力にはまったのである。
なので、今回は、一生手元に置いておきたいと思う絵はパステル画で探すことにした。
そして、3ケ月ぐらいかけて、埼玉県のE画廊さんでお気に入りの一枚を見つけ購入した。
庵跡芳昭(あんせきよしあき)画伯が裸婦を描いたパステル画。
タイトルは「帽子の裸婦」。
絵は55cm×39cm、額のサイズで80cm×60cmぐらい。
正確なデッサンとパステルによる柔らかく美しい色彩表現が印象的。
画伯は2016年に87歳で逝去されているが、柔らかく繊細な女性の美しさを追求した作品群はとても評価が高い。
創作期間の長さの割に市場に出回っている作品はとても少ない。
美術館の収蔵対象となってるだけじゃなく、個人所蔵の場合でも手放す人が少ないからかな、って個人的には推測してる。
投機対象になるタイプの絵というよりは鑑賞目的で手元にずっと置きたくなる絵の典型。
画題の都合上ブログにアップできないし、自宅でも娘に見つからないようこっそり鑑賞してる(泣)
やがて娘たちがこの家を出ていった後に堂々を飾ることとしよう(笑)
本当に素晴らしいパステル画である。
深夜、シングルモルトを片手に、飛騨産業のロッキングチェアに身を沈め、絵と向き合うと、美と対峙する緊張と美がもたらす癒やしとが混然と迫ってきてなんとも言えぬ陶然とした時間を過ごすことができる。
最近の日課である。
まさに至福の時間。
で、文字だけの投稿というのもなんなので、1993年頃、パステル画にはまっていた頃の作品をアップしてみる。
パステルってこんな雰囲気・質感、というサンプルということで。(と言いつつオイル・オン・ペーパーなどもあるが)
また、フィクサチーフ(定着液)で処理をしてなかったので、長い年月とともにパステルの粉の成分が落ちて製作時より少し色が薄くなっている・・・そのへんは割り引いて。
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