2022年5月9日

No.91 国産鉱物20 福島県のX鉱山に関する新情報!

GW休みを利用して、福島県のX鉱山の関係地の継続調査を行った。
最も麓寄りの抗口近くの国有水路及び管理用道路沿いにちょぼちょぼと落ちているズリ石を拾い割りしながら、ズリの投棄範囲を確認しようと赴いたもの。
成果は・・・ジョリーグッド!な標本が2つ。

水晶のクラスターの脇に紫が妖しく(?)光る!!



水晶の結晶の形が良いことと、紫の発色が気に入った(^^)

こちらは、ガマの内部ににみっちりと小さめの群晶が!。
母岩の濃緑~濃灰色が透けているが結晶は無色透明である。

水路沿いを歩いていたら、石を割る音を聞きつけた地元の方に声を掛けられた。
年の頃はtoskaniniと同年代か、もう少し若いぐらいか。
挨拶を交わし、お話を伺うと、この水路脇の土地を借りている方であった。
ドローンで借地を空撮するのと、除草剤を噴霧しに来たとのこと。
興味深い話をいくつか教えていただいた。

1 この辺りの農地では50~70cm掘るとけっこうな量のズリが出てくる所が何箇所もあるとのこと。ズリの上に覆土し農地として利用しているのだろう。
2 ズリが捨てられたある田んぼは、東日本大震災のとき地割れが発生したらしく水が張れなくなり、以降、耕作放棄地となっているとのこと。
3 ズリがどこに捨てられたとか、どこに抗口があったとか、鉱山遺構(坑口、水抜坑、ズリ山や選鉱場や製錬所跡、運搬トロッコ軌道跡、作業員の飯場跡、鉱山主の館、番所跡など)等そもそも鉱山に関する情報を知る人が地元でも大分少なくなってしまったとのこと。
4 令和3年2月の地震(当地は確か震度6弱だったかと)で陥没した場所があり、近所の方たち曰く「抗道が下を通ってるのだろうが、誰も知らなかった」とのこと。

1については、入手した書類で確認済みの情報である。ただ、今回、具体的にあの畑とあの空き地と・・・と具体的に場所をご教示頂いてとても参考になった。
近年、イノシシの獣害に困って営農を諦めた人も多い模様。
耕作放棄地→空き地のパターンが多く、また、田畑から出てきたズリ石はこぶし大以上の大きさのものも多く、この大きさだと作付けの邪魔となるため周囲にまとまって捨ててあることも多々ある。機会があれば土地所有者に許可を得てズリ割りをしてみたいものである。
2については、ズリ石の投棄と関連性があるのか、何を示唆するのか、現時点では分からない。
3については、ただただ残念の一言である。
4については、記録に残っている以外の坑道や抗口の可能性か。試掘のための坑道・抗口であれば一定規模のものであっても記録がない場合も。

今回、この方のご好意で、耕作の邪魔だから借地から出たズリ石を好きに処分してもいいよ、と有り難い申し出があり、遠慮なく畑の縁に散らばっているズリ石を割らせていただいた。
愛用のロックピックハンマーがESTWINGの22Pなので、無理せず拳大~手のひらサイズを中心にかなりの数のズリを割って、上記写真の2標本を運良くゲット!

ありがとうございました。

 
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